デリケートゾーンのお悩み相談室

2022.01.28

デリケートゾーンの経皮吸収率は腕の約42倍。膣まわりにオススメするケア用品について

デリケートゾーンの経皮吸収率は体の他の部位よりも高いといわれているため、特別なケアが必要です。こちらでは、経皮吸収率が他の部位と違うというのはどういうことなのか、そして、デリケートゾーンケアに天然成分が良いとされる理由について紹介しています。

 

デリケートゾーンは特に経皮吸収率が高い

「経皮吸収率」という言葉、一度は耳にしたことはありますか。経皮吸収率というのは、皮膚から何らかの成分が吸収される割合を意味し、身体の部位ごとにその割合は異なります。

たとえば、手や足などに擦り傷ができたとします。

このときには、外用タイプの市販薬または病院から処方された薬を患部に塗って、その成分を皮膚吸収させることで擦り傷の回復を早める対策をしますよね?

また、お肌に化粧水や乳液をつけると、その成分がお肌に吸収されてしっとりと落ち着きます。

 

このように、「成分が皮膚から吸収される」という現象こそが、経皮吸収率を示す指標になります。

 

デリケートゾーンの経皮吸収率は特に高い

経皮吸収率は部位によって異なるということを冒頭にも挙げましたが、前腕の内側の経皮吸収率を1とした場合、デリケートゾーン(陰部)の経皮吸収率はその約42倍〜50倍にもなります。これは、デリケートゾーンは特に皮膚が薄く粘膜もあるためとされています。デリケートゾーン以外に脇の下なども、皮膚が薄く経皮吸収率は比較的高い傾向にあります。

 

もし、化学合成物質や強い洗浄成分のボディソープや石けんなどでデリケートゾーンを洗う場合、体の他の部位よりも、それらは体内に吸収されやすいということです。

 

また、強い洗浄成分のボディソープや石けんを使用した場合では、膣内に存在する常在菌を殺してしまうことも考えられ、自浄作用が低下します。それに伴い膣の粘液力が弱まり乾燥を引きおこし、女性機能も衰えやすくなるといわれているのです。

 

デリケートゾーンをはじめとした経皮吸収率が高い部位には、お肌に優しいケアを行うこと、お肌に優しい成分のケア用品を使用することをおすすめします。

 

 

天然由来成分が良いとされる理由

強い洗浄成分は、汚れや皮脂除去に優れた効果を発揮します。たとえば、市販されているボディソープや石けんで体を洗ったあと、お肌がつっぱったり乾燥したりすることはないでしょうか。

 

これは、強い洗浄成分であるが故に皮脂をすっかり洗い流してしまう事によって起こる現象で、そのまま放置していると乾燥肌が悪化したり、痒みが出るといったトラブルが起こりやすくなります。

では、天然由来成分ではどうでしょうか?

 

天然由来成分とは?デリケートゾーンケアに良いとされる理由

天然由来成分には動物性と植物性がありますが、デリケートゾーンケアに適しているのは天然植物由来成分です。

たとえば、デリケートゾーンケア用品の成分を確認してみると、「ジラウロイルグルタミン酸リシンNα」や「ココイルグルタミン酸Nα」などの記載を見つけることがありますが、これらは天然植物由来成分です。

 

このような天然植物由来成分を洗浄成分として配合している商品は「アミノ酸系」と称されることがあり、石油系界面活性剤よりもお肌への刺激が弱く、安全面でもおすすめできます。

もちろん、天然由来成分という性質上、成分が皮膚から体内に吸収されたとしても、石油系のものと比べて優しい成分のためデリケートゾーンでも不安なく使えます。

 

見えない場所こそケアが必要

頭皮や髪、顔などはすぐに目で見て確認できる場所のため、丁寧にケアをする方が多いでしょう。

 

一方、デリケートゾーンは顔のように毎朝、鏡の前で目にする場所ではないため、ケアをおろそかにしてしまう方が多いという現状があります。

 

しかし、見えない場所だからこそ、丁寧に行わなければならないのがデリケートゾーンケアなのです。

 

では、デリケートゾーンケアを怠るとどのようなことが起こるのでしょうか。

 

汚れが溜まってニオイや痒みの原因に

シャワーで洗い流せば、表面の汚れはある程度まで落とすことができるでしょう。しかし、シャワーだけでは膣内の汚れまで落とすことができません。

 

そして膣内部に汚れが溜まると、独特の不快なニオイや、痒みが起こってしまうことに繋がります。

そうならないためには、日ごろからデリケートゾーンケアを行うことが大切です。

 

なお、デリケートゾーンケア用品にはデリケートゾーンに適したソープやオイル等がありますので、まずは気になるものをチェックしてみると良いでしょう。

 

外的刺激によるくすみや黒ずみのリスク

デリケートゾーンは、下着をはじめタイトなジーンズなどの衣類による摩擦を受けやすく、それによってくすみや黒ずみができやすい場所です。

 

そして、一度くすみや黒ずみが目立ってくると、すぐに改善することは難しいため日頃からのケアがとても重要になるのです。

つまり、顔や体と同様に、デリケートゾーンも外的刺激に対するケアをする必要があるということですね。

 

デリケートゾーンケアを大切にすることの大切さ

普通に生活している中で、デリケートゾーンを特別な場所だと感じる機会は少ないのではないでしょうか。

 

しかし、デリケートゾーンについての理解を深めれば、デリケートゾーンは私たちが生活を営む上で、とても重要な役割を担っている場所だということを理解できるはずです。

こちらでは、デリケートゾーンが担う3つの重要な役割についてご紹介していますので、この機会にぜひ、デリケートゾーンの重要性について考えてみてください。

 

生命誕生の準備

生理は女性の体だけに起こる現象で、これを煩わしいと感じる女性は多いといいます。しかし、生理の際の排出物は、本来であれば赤ちゃんの栄養成分として体内に蓄えられているものであり、この成分が分泌されない限り、赤ちゃんが胎内ですこやかに成長することができません。

 

つまり、デリケートゾーンは生命誕生の準備を行う大切な場所だということです。

こう考えれば、生理は煩わしいものではなく、むしろありがたいものだということに気付けるのではないでしょうか。

 

なお、生理中にはどうしてもニオイが気になる場合がありますが、生理時の特有なニオイもデリケートゾーンケアで改善が期待できますので、ぜひ参考にしてください。

 

生命を授かる

子宮で精子と卵子が結びついて着床すると、その小さな塊は少しずつ成長して赤ちゃんらしく姿かたちを変えていきます。

しかし、その前段階では性交する必要があり、デリケートゾーンに問題がある場合では、性交自体行えなくなることがあるのです。

 

というのは、デリケートゾーンに炎症が起こっていたりニオイが発生したりしていると、パートナーがその状態に引いてしまい、性交に漕ぎつけなくなる可能性があるからです。

つまり、スムーズな性交にも、デリケートゾーンケアが一役買ってくれるということです。

 

生命の誕生

出産は女性にとっての一大イベントです。しかし、10カ月間お腹の中で赤ちゃんを育てて出産に至るまでには、並々ならぬ苦労があります。

たとえば、妊娠初期につわりで苦しんだり、徐々に大きくなるお腹で足元が見えず怖い思いをしたりと、妊娠中にはあらゆる苦労が押し寄せます。

そして出産当日を迎えると、赤ちゃんはデリケートゾーン(産道)を必死に通り抜けて、この世に誕生してくるのです。

 

女性にとって、デリケートゾーンがいかに大切な場所であるかをご理解いただけたのではないでしょうか。

そのように大切なデリケートゾーンだからこそ大切に扱い、日ごろから丁寧にケアをしておかなくてはならないのです。

 

さいごに

こちらでは、デリケートゾーンの経皮吸収率の高さや、デリケートゾーンに天然由来成分が良いとされる理由についてもご紹介していますので、ぜひこの機会に、デリケートゾーンケアに目を向けて、なるべく早い段階で開始してみてください。

監修 薬剤師 中田早苗

デリケートゾーンのお悩み相談室
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薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師

中田 早苗

薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。

資格

薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー